公立高校と私立高校どちらを目指すべき?3つの押さえておくべきポイントを解説!

学校の校舎 教育術
「公立高校と私立高校の違いが分からない」「私立高校って学費が高いだけじゃないの?」これから高校受験を控えたお子様をもつ保護者の方にはこのような悩みや考えを持つ方も多いのではないでしょうか。公立の学校と私立の学校では単に授業料の違いだけでなく、カリキュラムや教育方針など様々な違いが存在します。この記事では、塾講師としてたくさんの受験生を担当する中で収集してきた高校に関しての情報を、高校選びのポイントにまで落とし込んで紹介します。公立と私立の学校の特徴について知りたい方はぜひ最後までご覧ください!

公立高校と私立高校の4つの違い

勉強する高校生

公立高校と私立高校では「授業料」の違いが焦点を当てられがちですが、他にも様々な違いが存在します。まずはこれらの5つ違いについて細かく確認していきましょう。

金銭面

まずは金銭面についてです。冒頭に挙げた「授業料」以外にも、公立高校と私立高校の金銭面での違いは存在します。

授業料

結論からお伝えすると、授業料については公立高校では実質無償、2026年度以降は私立高校でも実質無償・もしくは負担激減となります。

公立高校

公立高校の授業料は月額9,900円・年額118,800円ですが、所得制限があるものの、基本的には国からの補助により全額が賄われ実質的に無償化されています。またこの所得制限についても、これまでは年収910万円を目安に補助が受けられませんでしたが、2025年度以降所得制限が撤廃され、全世帯で補助を受けられるようになりました。

私立高校

一方で私立高校の場合は年額300,000円から1,000,000円と、授業料の設定が学校によって異なり、公立高校よりも高い費用が求められます。しかし私立高校についても授業料無償化が進められており、2025年度以降、順次制度が拡充されています。

私立高校の世帯年収ごとの補助額は以下の通りです。

世帯年収2025年度2026年度以降
~590万円396,000円補助~457,000円補助
590万円~910万円118,800円補助~457,000円補助
910万円~118,800円補助~457,000円補助

つまり、2026年度以降は授業料が457,000円以下であれば、その全額を国からの補助でカバーすることができ、私立高校であっても授業料が実質無償となります。

また、457,000円以上の授業料であっても、自治体によっては超過分を補助してくれる場所もあります。

授業料以外でかかる費用

無償化となるのはあくまで授業料であり、その他でかかる費用は基本的には自費負担です。私がこれまでに面談をしてきた親御さんも、授業料に眼を取られてこれらの費用を忘れがちでした。

ここからは授業料以外でかかる費用について解説します。

入学金

公立高校の入学金は全国でほぼ一律となっており、一部地域では多少の誤差はあるものの、5,500円ほどになっています。

一方私立高校では、学校によって違いはあるものの、平均では150,000円ほどとなっています。都内の一部高校では入学金で500,000円近くの費用が必要な学校も存在します。

制服代や教科書代

制服代や教科書代も公立高校・私立高校で異なってきます。

私立高校ではブランドの制服であったり、指定のアイテムが多かったりして制服代で100,000円近くかかることも珍しくありません。また、教科書代も独自カリキュラム等が影響して年間5万円近く必要な学校もあります。

対して、公立高校でも制服代で約30,000~50,000円教科書代で約15,000円~25,000円と決して安くはない費用が掛かります。

これを受けて、一部自治体では制服等にかかる費用を一部補助する制度を設けていることもあります。

修学旅行費

行先によって費用は異なりますが、修学旅行費も公立高校と私立高校で大きな違いがある費用です。

公立高校では、修学旅行の行先は国内が中心で、価格としては50,000円~100,000円ほどが一般的です。対して私立高校では海外への旅行も珍しくなく、日程も多くなるため100,000円~多い学校では400,000円ほど必要になるケースもあります。

施設費等

学校の施設を利用するに当たって、施設費が必要となります。この費用は最新設備の導入や校舎の修繕費等に充てられています。

公立高校ではこれらの費用は自治体の公費で支払われるため、保護者の方の支払いの必要はありません。

一方で、私立高校ではほとんどの場合で支払うことになり、額は学校によって様々です。学校の規模で費用は異なりますが、一般的には年間で50,000円~15,000円ほどの支払いが必要になります。

カリキュラム

公立高校と私立高校の違い2つ目はカリキュラムです。その最も大きな違いは土曜日の授業でしょう。公立高校では一部進学校では土曜日も講習等の形で授業がある場合がありますが、基本的には月曜日~金曜日の週5日の授業が一般的です。

それに対して私立高校では、多くの学校で土曜日に授業が取り入れられています。

私立高校は学校によって特色があるため、そのそれぞれでカリキュラムも異なりますが、特に進学校においては授業数が多いなど、授業時間を確保するための工夫がされています。

教育方針

公立高校と私立高校では教育方針も大きく異なります。公立高校でも校風等によって多少の違いはありますが、私立高校になるとさらにガラッと教育方針が変わってきます。

例えば私立高校では、宗教団体による設立も珍しくないので、宗教に関する授業がある学校も珍しくありません。また運動に力を入れていてスポーツ推薦が多い学校や、高い進学実績を誇り勉強に強く力を入れている学校など、学校によって大きな特色があります。

私立高校を選ぶ際は、公立高校以上に教育方針について調べておくことが大切です。

設備や施設

最近では公立高校でも整った設備を持つ学校も増えていますが、それでも私立高校には及びません。(上記の施設費を払っているため、当然と言えば当然なのかもしれませんが)

温水プールやトレーニング施設、電子黒板、カフェテリアなど、公立高校に比べると校内の設備や施設はかなり充実しており、快適な学校生活を送れるでしょう。

公立か私立かを選ぶ時の3つのポイント

考え事をする高校生

ここまで公立高校と私立高校の主な違いについて解説してきました。ここからはこれらの違いを踏まえた上で、公立か私立かを選ぶ時の重要なポイントについて紹介します。

高校生活で何を重視したいか

一つ目のポイントは「高校生活で求めるもの」です。「部活で全国大会に行きたい!」「女の子だけの環境で過ごしたい!」「勉強を頑張って良い大学に行きたい!」など、高校生活で求めるものはそれぞれ違います。

重要なのは「高校生活で求めるものを達成できる学校を選ぶ」ことです。全国大会常連校を選んだり、女子高を選んだり、進学実績の良い学校を選んだり。

上記の「教育方針」で述べた違いを基に、理想の学校生活を過ごすことができる学校を選びましょう。

どんな大学に進学したいか

次のポイントは「大学への進学」です。「名の知れた大学にエスカレーターで行きたい!」「指定校推薦で早めに受験を終わらせたい!」という方は私立高校が向いています。私立高校は大学付属の学校ではエスカレーターで大学に進める可能性が高いですし、指定校推薦の枠も公立高校よりも多い傾向があります。

費用面は可能な範囲内か

最後のポイントは「費用面」です。上述の通り、私立高校も授業料の実質無償化で入学しやすい体制は整いつつありますが、それでも入学金や制服代、修学旅行費などお金がかかる場面は多数あります。

奨学金を借りて通う手段もありますが、費用面で悩む家庭も多いのではないでしょうか。

費用面で悩む場合には、条件の近い公立高校を選ぶことも重要なポイントです。公立高校でも部活動が盛んな学校・男子比率/女子比率が高い学校・高い進学実績を誇る学校など、様々な特色があります。

視野を広げて自分に合った学校を探してみましょう。

まとめ

今回は、公立高校と私立高校の違いを踏まえた上で、高校を選ぶ時の3つのポイントについて紹介しました。

  • 公立高校と私立高校では費用面以外にも多数の違いがある
  • 両者の違いを踏まえた上で、高校選びの3つのポイントを考えることが重要

「費用面」で比較されがちな公立高校と私立高校ですが、カリキュラムや教育方針、施設など、他にも違いはたくさんあります。これらの違いを十分に理解したうえで、高校を選ぶことが重要です。

高校選びで重要なことは、この記事で紹介した3つのポイントを抑えたうえで、何よりも学校生活を楽しむこと。しっかりと高校選びのポイントを考えて選んだ学校ではきっと楽しい高校生活が送れるはずです。この記事で少しでも理想の高校生活へ近づく方が増えることを願っています!

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